
節税効果を最大化するための共済活用ガイド
2024年08月08日 13:08
こんにちは、やりすぎ税理士の西内です。今日は、節税についての話をさせていただきます。そもそも、なぜ節税をするのか考えたことがありますか?節税は、手元にお金を残すために行うものです。これをしっかりと実践することで、強い会社を作ることができます。単に税金を払ってしまうだけでは、非常に危険な状態に陥る可能性があります。今回は、節税の具体的な方法について解説し、特に共済の活用方法に焦点を当ててお話しします。
詳しくは下記Youtubeの方で解説していますので御覧ください。
本記事ではYoutubeの内容の一部をまとめたものをお伝えします。
節税の目的と方法
節税の目的は、会社の手元にできるだけ多くのお金を残すことです。節税には大きく分けて三つの方法があります。
1. 必須の節税対策
まず最初に必須の節税対策があります。これはお金の支出が不要なもので、決算時に未払い金として経費や損金に計上できるものをしっかり計上することです。例えば、貸倒引当金を設定するなど、基本的な節税対策をきちんと行うことが重要です。これらは、適切に行うことで確実に節税効果を得られる基本的な方法です。
2. 一般的な節税対策
次に、一般的な節税対策です。これには、以下のような方法があります。
・小規模企業共済
小規模企業共済は、節税のために非常に有効な方法です。これは、個人事業主や小規模企業の経営者が退職金を積み立てるための制度であり、掛金が役員個人又は個人事業主の所得税の計算で全額所得控除の対象となります。例えば、月々の掛金が7万円の場合、年間で84万円が所得控除されます。所得が300万円の場合、約20%の税率を適用すると、16.8万円の節税効果があります。同様に、所得が2000万円の場合、50%の税率を適用すると、42万円の節税効果が得られます。
・経営セーフティ共済
経営セーフティ共済(倒産防止共済)は、取引先の倒産による経営リスクを軽減するための制度です。掛金は損金算入が可能で、月額掛金は5000円から20万円まで設定できます。最大で年間240万円の損金算入が可能です。例えば、課税所得が300万円の場合、20%の税率を適用すると、48万円の節税効果があります。
3. 不要な節税対策
最後に、不要な節税対策です。これは、無理に行うような節税対策で、実際には効果が薄いものです。無駄な経費を使ってしまうことで、逆に税務リスクが増え、手元にお金が残らない可能性があります。こういった無理な節税(いわば無駄遣い)は避け、必要な節税対策をしっかりと行うことが重要です。
小規模企業共済の詳細
掛金の全額所得控除
小規模企業共済の最大の特徴は、掛金が全額所得控除の対象となる点です。個人事業主や会社役員が退職金を準備するために積み立てる掛金が、全額所得税の計算から控除されます。これは、個人の所得税を大幅に減らすことができるため、非常に有効な節税方法です。
共済金の受け取り方
共済金の受け取り方には、一括受取と年金形式の二つがあります。一括受取の場合は退職所得として扱われ、優遇税制が適用されます。年金形式で受け取る場合は、公的年金等控除が適用されるため、ほとんど課税されないことが多いです。
借り入れの利用
小規模企業共済の掛金を担保にして借り入れを行うことができます。借入金額は掛金の7割から9割で、金利も1.5%から0.9%と非常に低いです。例えば、月額7万円の掛金を20年間積み立てた場合、総額で1680万円となります。この掛金を担保にして借り入れを行い、しっかりと運用することで効率良く資金運用が可能です。
シミュレーション
例えば、所得が300万円の方が月額7万円を20年間積み立てるとします。年間掛金は84万円で、20%の税率を適用すると、毎年16.8万円の節税効果があります。これを20年間続けると、336万円の節税効果が得られます。同様に、所得が2000万円の方が50%の税率で計算すると、年間42万円の節税効果があり、20年間で840万円の節税効果が得られます。
経営セーフティ共済の詳細
無担保無保証で借り入れ可能
経営セーフティ共済は、無担保無保証で掛金の10倍まで借り入れが可能です。例えば、掛金が800万円の場合、その10倍の8000万円まで借り入れができます。これにより、取引先の倒産など、緊急時の資金需要に対応できます。
損金算入と掛金の大きさ
経営セーフティ共済の掛金は損金算入が可能で、月額5000円から20万円まで設定できます。最大で年間240万円の損金算入が可能です。例えば、課税所得が300万円の方が月額20万円を23ヶ月分前払いすると、総額で460万円となり、20%の税率を適用すると92万円の節税効果があります。
解約手当金の活用
解約手当金は、掛金の積立期間が40ヶ月以上であれば100%返戻されます。例えば、月額20万円を40ヶ月積み立てた場合、総額で800万円が返戻されます。これにより、元本割れのリスクを回避しながら資金を貯めることができます。
貸付制度の利用
経営セーフティ共済も掛金を担保にして借り入れが可能です。金利は0.9%からで、最大95%まで借り入れができます。例えば、掛金が800万円の場合、95%の760万円まで借り入れが可能です。これにより、柔軟な資金調達が可能となります。
シミュレーション
例えば、課税所得が300万円の方が月額20万円の掛金を23ヶ月分前払いすると、総額で460万円となり、20%の税率を適用すると92万円の節税効果があります。さらに、掛金の80%を借り入れとして利用する場合、368万円が借り入れ可能となり、実質的な手出しは92万円となります。これにより、非常に高い利回りでの運用が可能となります。
まとめ
小規模企業共済と経営セーフティ共済は、共に非常に有用な制度です。これらをうまく活用することで、節税効果を享受しつつ、資金効率を大幅に向上させることができます。どちらの共済も、早い段階での加入をおすすめします。小規模企業共済は開業直後から、経営セーフティ共済は1年以上事業を行ってから加入することが可能で、2つの共済を併用することで最大限の効果を発揮します。
これらの共済をうまく利用し、さらに借り入れを活用することで、事業資金を効率よく運用し、経営の安定化と成長を図ることができます。具体的なシミュレーションや事例を参考にしながら、最適な利用方法を検討してみてください。
以上、やりすぎ税理士の西内から、共済制度の活用法についての解説でした。次回も、ビジネスに役立つ情報をお届けしますので、お楽しみに。
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